72歳の男性。脳血管障害による左片麻痺。Brunnstrom法ステージ上肢Ⅲ、手指Ⅲ、下肢Ⅴ。回復期リハビリテーション病棟へ転棟した。病室ではベッドから起き上がり、端坐位は可能である。車椅子からベッドへの移乗動作は自力でできるが、ベッドから車いすへの移乗動作は触れる程度の最小介助が必要である。
この患者の病棟でのベッドから車椅子への移乗動作自立に向けた指導で適切なのはどれか。
- 浅く腰掛けさせる。
- 麻痺側下肢を軸に回転する。
- 車椅子はベッドに平行に設置する
- 足部を膝より前方に出して立ち上がる。
- ベッドの高さをより低くしておく。
片麻痺患者でのベッドから車椅子への移乗の際は、ベッドでの端坐位の際に車いすを非麻痺側に設置し、起立しやすいように浅めに腰かけて膝を90°よりも若干深めに屈曲することにより立ち上がりやすいようにし、立ち上がり後は非麻痺側下肢を軸足にして回転し、最後は車いすの座面に着座します。
それを踏まえて──
- 浅く腰掛けるのは立ち上がりを容易にするため望ましい。
- BRSTⅤであっても移乗動作は最小介助レベルであることを考えると、非麻痺側下肢を軸足にするよう指導すべきである。
- 車椅子をベッドと平行にすると、フットレストが邪魔になるため、30~45°程度の角度をつけて設置することが望ましい。
- 足部を膝より前方にすると、膝屈曲角度が小さくなり、起立の難易度が高くなるため✕。
- ベッドと車椅子の高さはできるだけ同一にするよう配慮する。
──というわけで最も適切なのは1。
問題に図版が付随しないため、イメージ力が大切ですね。
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