第60回OT午前問題 11 解説


高次脳機能障害の評価バッテリーの問題はほぼ毎年出題されるため、国試対策で攻略できていた方も多かったのではないでしょうか。

文中で注目すべきは、指示された仕事は意欲的に集中して行うことができるが、自発的に段取りを考えてはできないという点。

これは遂行機能障害が考えられます。

遂行機能障害にはほかに衝動性、行動開始障害、自己客観性の欠如、マルチタスク不能、優先順位の判断力低下などの症状があり、責任病巣は前頭前野にあるといわれています。

以上を踏まえて各検査について説明します。


  1. BADSは遂行機能障害の行動評価法です。カードや道具を用いた検査と1枚の質問紙で構成され、日常生活上の遂行機能に関する問題点を抽出するため検査バッテリ―です。
  2. BITはイギリスで開発された半側空間無視検査であり、通常検査は線分抹消試験や模写試験、行動検査は写真課題や地図課題などで構成されます。
  3. CASは自発性の評価であり、面接・質問紙法・日常生活行動による意欲評価スケール、自由時間の日常行動観察、臨床的総合評価で構成され、意欲の低下などの評価を行います。
  4. CATは注意機能検査であり、数唱や視覚性スパン、末梢課題、記憶更新検査などで構成されています。
  5. RBMTは記憶機能検査で、言語課題、視覚空間課題、近時記憶、即時記憶など、日常記憶を簡便に評価することができます。

以上を踏まえると、もっとも優先されるべきなのは1だとわかりますね。

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