国試本番まであとわずか。
国家試験であと+1点できるかもしれないチップスを投稿します。第4弾は冠状動脈の潅流領域についてです。
心臓の内腔には常に血液が流れていますが、心臓壁は内腔の血液には栄養されません。心臓壁に分布している心筋組織を栄養するのは、左右の冠状動脈です。
冠状動脈は、上行大動脈起始部から左右別々に分岐します。右冠状動脈は、心臓の後面に回り込んで、心室後壁、心室中隔後部、心尖に分布します。一方、左冠状動脈は、回旋枝と左下行枝に分岐します。左下行枝は、心臓前面を下行し心室前面および心室中隔前部に分布します。回旋枝は、心臓の後面に回り込み左心室後壁に分布します。
心臓の収縮期には大動脈弁が開き、大動脈洞から冠状動脈への入り口部は塞がり冠状動脈に血液は流れません。拡張期に大動脈弁が閉じると、大動脈洞から冠状動脈への入り口部が開き、左右冠状動脈に血液が流れ込みます。心臓の拡張期に血液が流れる末梢動脈は全身で冠状動脈だけです。
心臓の最大活動時における血流量は安静時の9倍にも達します。左右の冠状動脈は、心臓の活動状況に応じて心筋に十分な血液を供給しなければなりません。冠状動脈の狭窄あるいは閉塞によって心筋の虚血が生じることになります。心筋の虚血が一過性の場合は狭心症、永続的である場合は心筋梗塞となります。
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