Fukamizu

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緩和ケア

国試まであとわずか。国試本番であと+1点できるかもしれないチップスをお届けします!第13弾は緩和ケアです。緩和ケアとは、身体的な痛みのみならず、精神的、社会的、スピリチュアルな苦痛など全人的苦痛(トータルペイン)に対するケアです。従来、積極的な治療をやめた後の終末期のケアと考えられてきましたが、現在では患者のQOL向上のため診断早期から病変の治療とともに行うようになっています。がん患者にみられる痛みは、① がんによる痛み(がん疼痛)② がん治療による痛み③ ①②に該当しないがんとは関係ない痛み、がんにより2次的に生じた痛みこれら3つに分類されます。また、がん疼痛は発生機序により次のように分類されます。① 侵害受容性疼痛  ・体性痛:組織(皮膚、骨、筋肉、関節など)の損傷による痛み  ・内臓痛:臓器の炎症や圧迫、閉塞などによる痛み② 神経障害性疼痛:神経の圧迫や断裂による痛みがん疼痛の治療目標は第一目標:痛みに妨げられない夜間の睡眠の確保第二目標:安静時の痛みの消失第三目標:体動時の痛みの消失第四目標:日常生活が送れる(痛みのない状態が維持され、普段の生活に近づく)がん疼痛治療の目標設定は、患者と医療者間で現実的かつ段階的な設定を行い、患者の希望を聴き目標を明確にする必要があります。

肝癌

国試までわずか。国試本番であと+1点できるかもしれないチップスをお届けします!第12弾は肝癌です。では、ここで問題です。肝癌の原因となる肝炎ウイルスでもっとも多いのは何型肝炎ウイルスでしょう?答えは、C型肝炎ウイルスです。肝炎ウイルスのうち、A型は急性肝炎から通常慢性化することはありません。B型肝炎ウイルスでは全体では約5~10%の急性肝炎患者が慢性肝炎を発症します。発症年齢が低いほど慢性肝炎の発症率は高いです。C型肝炎ウイルスでは、急性肝炎の75%が慢性化します。C型慢性肝炎は治療しないでいると、約20~30%で肝硬変を引き起こします。肝硬変があると、肝臓がんのリスクが高くなり、長期の経過で肝癌を発症することになります。肝炎ウイルスについては、感染経路も重要です。A型肝炎ウイルスの感染経路は、カキなどを介する経口感染です。B型肝炎ウイルスは血液や体液などを介する接触感染です。母子感染や注射の共用、性交などが原因となります。B型肝炎ウイルスは非常に感染力が強く、同様の感染経路であるHIVと比べて50~100倍の感染力があると言われます。また、人の身体の外でも7日間は生存することができます。C型肝炎は輸血や注射針を介する経血感染が感染経路となります。

糖尿病

国試まであとわずか。国試本番であと+1点できるかもしれないチップスをお届けします!第11弾は糖尿病です。内部障害では、循環器疾患、呼吸器疾患に次いで出題頻度が多いです。まずはじめにインスリンは生体で唯一の血糖を下げるホルモンです。ここは絶対に忘れないで下さい。いいですか、他に血糖を下げるホルモンはありません。インスリンのみが生体で唯一の血糖を下げるホルモンです。大事なことなので2回言いました。そのインスリンの分泌障害もしくはインスリン抵抗性亢進により作用不足となり慢性的な高血糖になるのが糖尿病です。200mg/dL以上の高血糖により、腎臓での再吸収の限界を超えてしまうことで、本来近位尿細管で100%再吸収されるはずのグルコースが尿として排出されるため糖尿となります。高血糖の症状としては、口喝、多飲、多尿、疲労感などがあります。これと低血糖の症状を混同しないようにしてください。1型糖尿病は小児~青年期に発症し高度なインスリン分泌障害を呈します。インスリン抵抗性はないため、経口血糖降下薬は無効です。一方、2型糖尿病は中高年で発症し、インスリン抵抗性のために高血糖となります。症状が進行しインスリン分泌障害を呈するまでは、インスリン注射は不要です。糖尿病の運動療法の目的は、短期的には食後の運動によって食後高血糖を抑制すること、長期的には運動の継続によってインスリン感受性を上げることです。最大酸素摂取量の60%程度の有酸素運動とレジスタンス運動を組み合わせて行います。最大酸素摂取量の60%程度の運動はATレベルの運動に相当し、修正ボルグスケールでは4~5となります。

がんの薬物療法

国試まであとわずか。国試本番であと+1点できるかもしれないチップスをお届けします!第10弾はがんの薬物療法です。がんに関する問題は増加傾向にありますので、しっかり押さえておきましょう。がんの薬物療法の目的は、薬物療法単独で根治を目指すもの、術前術後に手術侵襲の低減や再発予防のために行うものがあります。主な薬物療法としては、1.化学療法約2.分子標的薬3.免疫チェックポイント阻害薬4.ホルモン療法薬があります。化学療法薬は、細胞のDNA合成や分裂過程を阻害し、がん細胞を細胞死に導くものです。副作用としては、骨髄抑制による白血球、赤血球、血小板の減少や脱毛、口内炎、下痢、悪心・嘔吐などがあります。分子標的薬は、標的となる分子を発現している細胞にだけ作用し、細胞増殖を開始するために必要なシグナル伝達を阻害し細胞増殖を起こさせないようにします。正常細胞が、がん細胞と同じ標的分子を発現していると正常細胞も分子標的薬の作用を受けるため、標的となる分子によって多彩な副作用が出現します。ヒトでは、1日で数千個ものがん細胞が発生していますが、通常それらは免疫機構によって排除されています。しかし、免疫抑制機能を利用して免疫応答を回避してがん細胞が増殖し、臨床的ながんとして発症してしまいます。免疫チェックポイント阻害薬は、免疫抑制機能を阻害し、がん細胞に対する免疫応答を高めます。副作用として、腸炎、下痢などの自己免疫性の炎症があります。それらには副腎皮質ステロイドが有効です。ホルモン療法薬は、アンドロゲンによって増殖する前立腺がん、エストロゲンによって増殖する乳がんなど、ホルモン依存性腫瘍へのホルモン作用を抑制します。支持療法は抗がん薬の副作用に対する治療で、白血球減少による易感染性や血小板減少、赤血球減少による貧血、悪心・嘔吐、下痢、皮膚障害などが対象となります。

中止基準

国試本番まであとわずか。国家試験であと+1点できるかもしれないチップスを投稿します。第9弾はリハビリの中止基準についてです。リハビリの中止基準には次の3つの段階があります。1.積極的なリハビリを中止しない場合2.途中でリハビリを中止する場合3.いったんリハビリを中止し、回復を待って再開する場合それぞれについて、脈拍、収縮期血圧、拡張期血圧などの基準がありますので、それらを混同しないように注意してください。1.積極的なリハビリ実施しない場合・安静時脈拍40/分以下または120/分以上・安静時収縮期血圧70mmHg以下または200mmHg以上・安静時拡張期血圧120mmHg以上・労作性狭心症の方・心房細動のある方で著しい徐脈または頻脈のある場合・心筋梗塞発症直後で循環動態が不良な場合・著しい不整脈がある場合・リハビリ実施前にすでに動悸・息切れ・胸痛がある場合・座位でめまい、冷や汗、嘔気がある場合・安静時体温が38℃以上・安静時酸素飽和度(SpO₂)90%以下2.途中でリハビリを中止する場合・中等度出現した呼吸困難、めまい、嘔気、狭心痛、頭痛、強い疲労感などが出現した場合・脈拍が140/分を超えた場合・運動時収縮期血圧が40mmHg、または拡張期血圧が20mmHg以上上昇した場合・頻呼吸(30回/分以上)、息切れが出現した場合・運動により不整脈が出現した場合・徐脈が出現した場合・意識状態の悪化3.いったんリハビリを中止し、回復を待って再開する場合・脈拍数が運動前の30%を超えた場合、ただし2分間の安静で10%以下に戻らない場合は以後のリハビリを中止するか、極めて軽労作のものに切り替える・脈拍が120/分を超えた場合・1分間10回以上の期外収縮が出現した場合・軽い動機、息切れが出現した場合その他に注意が必要な場合・血尿の出現・喀痰量が増加している場合・体重増加している場合・倦怠感がある場合・食欲不振時、空腹時・下肢の浮腫が増加している場合

リウマチ治療薬

国試本番まであとわずか。国家試験であと+1点できるかもしれないチップスを投稿します。第8弾はリウマチ治療薬についてです。リウマチの薬物療法では主に次の4種類について抑えましょう。1.疾患装飾性リウマチ薬(DMARDs)2.生物学的製剤3.NSAIDs4.ステロイドメトトレキサートはDMARDsの一種でリウマチ治療薬の第一選択薬です。その作用はサイトカイン産生抑制やリンパ球や滑膜細胞の増殖抑制により、免疫機能を抑制したり、骨・軟骨破壊の進行を抑制したりすることです。注意すべき副作用としては、骨髄抑制や間質性肺炎、感染症などがあります。生物学的製剤は、炎症性サイトカインやその受容体に結合し、その作用をを阻害する作用があります。NSAIDsとは、抗炎症薬のうちステロイド構造を持たないものを指します。シクロオキシゲナーゼ(COX)阻害作用により抗炎症、鎮痛、解熱作用を示します。アスピリンなどの酸性NSAIDsは、炎症部に発現するCOX-2だけでなく全身に常時発現し生体恒常性の維持に必要なCOX-1も阻害する非選択的COX阻害薬であり、特に胃酸分泌抑制による胃腸障害や血小板凝集抑制による出血傾向、気道収縮によるアスピリン喘息などの副作用に注意が必要です。ステロイドは、抗炎症作用、免疫抑制作用、抗アレルギー作用があります、自己免疫疾患やアレルギー疾患などの治療に使用されます。副作用として、感染症、消化性潰瘍、糖尿病、満月様顔貌などがあります。