60歳の女性。転倒して右肩関節痛を訴えた。エックス線写真を別に示す。
まず患部に行うべき治療はどれか。
1. ギプス固定
2. 極超短波治療
3. 三角巾固定
4. 髄内釘固定
5. 超音波治療
解答:3
上腕骨近位端骨折
肩関節は、関節の中で最も大きな可動域を持つ関節であり、上腕骨近位端骨折は、骨に付いている筋肉、腱により最大4つの部分に分かれて転位する。
治療法の決定には骨折の転位の程度が重要である。
NEER分類とは
上腕骨頭、大結節、小結節、骨幹部の転位の有無とその程度を分類の基準とする。
Groupは骨折部位を表し、partは転位の程度を表す。
治療法
• 転位のない骨折は、保存的治療の適応であり、三角巾などで固定し、臥床、起床動作時に肩関節を安定させるため、バストバンドなどで体幹に固定する。
• 固定期間中も手指の腫脹を軽減させるため、手指の運動を積極的に行う。
• 痛み、腫脹の軽減の軽快に応じて、可動域訓練を開始し、3週間は固定を行う。
• 手術適応は、骨折分類に従って行われ、骨折部の転位の程度が重要。
• 手術療法は、髄内釘固定やプレート固定が行われる。脱臼骨折の場合には、人工骨頭置換術が行われる場合もある。
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